【1万字インタビュー】2018年のNo title。〜これまでとこれから〜

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インターネットの浸透、テクノロジーの進化によって音楽の楽しみ方に変化が起きている。次世代フォーマットを見据えたアーティストの誕生は急務だ。

そこで注目したいのが、音楽ストリーミング時代の新スター発掘を目指して開催された『LINEオーディション2017』でグランプリとなった3人組バンドNo title。プロデューサーにGReeeeN等を手掛けたJINを迎え、これまで話題作「rain stops, good-bye」、「超えて」をリリースしてきた。さらに先日、実話エピソードをもとにGReeeeNの楽曲「愛唄」を映画化した作品『愛唄 ―約束のナクヒト―』(2019年1月25日公開)のGReeeeNが歌う主題歌へNo titleのフィーチャリングが発表されるなど、着実にスターダムへと歩み始めている。

そんななか、No titleの3曲目となる新曲「ねがいごと」のリリースが発表された。現役高校生である3人が感じた日常生活から生み出された共感力の高い応援歌であり、夢を叶えるために旅立って行く仲間を送る歌だ。この1年、地元青森県の三沢市に在住しながら、東京でのレコーディングやライブ、取材などを続けてきた生活の変化。日々、成長を続ける あんべ(Gt)、ほのか(Vo&Gt)、ポチ(Piano)の3人に、これまでのヒストリーや“いま”感じていることなどを聞いてみた。

テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

地元、青森県三沢市について

――地元である青森の三沢市は、どんな町なんですか?

ほのか:米軍基地があります。街の雰囲気が独特な感じですね。

――音楽も生活には密着だったりするんですか?

ほのか:そうですね。若いバンドが多いわけではないんですけど、外国人の方が盛り上がっていたりするので豊かな方なんじゃないかな。

――ライブハウスもある?

ほのか:ライブハウスがないんですよ。ライブバーが多いですね。

――そういうところに中高生が出演する感じではなく?

ほのか:でも、1回ハロウィンかなんかのイベントで何時から何時まではお酒を無しにして、仮装して演奏しましょうっていう企画に1回だけ出たことがあります。

ーーCDショップはあります?

あんべ:三沢には……。

ほのか:ないですね、近くには。

ポチ:レンタル屋でGEOとか。

ほのか:ちょっと車で移動すればイオンモールがあって、タワレコがあるって感じです。

――今どき青森であっても都内であっても、ネットで音楽に触れるのが当たり前なんですね。

ほのか:そうだと思います。

――最近好きなアーティストは? ライブに行ったりとかは?

ほのか:Official髭男dismさんにハマってます。あと、母親が三浦大知さんを好きで。その影響で6年くらいずっと仙台公演に行ってます。あと、Mrs. GREEN APPLEさんの幕張でのライブにも行ってきました。SNSでカバーをさせていただいたんですけど、ヨルシカさんも好きですね。

あんべ:僕はもともとRADWIMPSさんやSEKAI NO OWARIさん、ゲスの極み乙女。さんが好きだったんですけど、最近はmajicoさんを聴いてます。

ポチ:僕は、椎名林檎さん一択です。親の影響で最初に東京事変の頃の曲を聴いて、そこからハマりました。

3人組バンド、No titleらしさとは?

――なるほどです。No titleを結成して、この1年間で劇的にいろんなことが起きたと思いますが、音楽性だったり、バンドとして自分たちのイメージが見えてきたなと感じた瞬間はありましたか?

あんべ:実際、オリジナルを2曲しか完成させてないので、まだまだいろんなジャンルにチャレンジできると思っています。やりたいことがいっぱいあるので模索中ですね。

ほのか:新曲「ねがいごと」の歌詞は今までと違う感じで書けたんです。曲を出すごとに勉強になっていますね。いま自然とやってることのいくつかが、あとから見返したら「No titleらしさ」となるのかもしれません。自分でも楽しみですね。

ポチ:オリジナル曲もまだ少ないですし、技術も未熟なところがいっぱいあるので……。これからもっといろいろチャレンジしていきたいと思っています。

“あんべ”のルーツ

――突然のメインストリームでの音楽活動ですもんね。みなさん、おいくつでしたっけ?

ほのか:私が16歳、あんべとポチは17歳です。(※注:2018年10月28日取材時)

――もともと3人とも小学生の頃から一緒だった?

ほのか:小中一緒なんです。

――小中学生のころはどんな子でした?

あんべ:5年生からサッカーを始めて。それまでは、ずっと教室にいるインドア派で。友達とワキャワキャやってる感じじゃなくて、大人しかったです。ピアノは幼稚園の5歳からやっていて。それが今に繋がってる部分があって、楽譜を読めるようになったのでよかったと思っています。

――自分にとって自信になっていた?

あんべ:そうですね。「唯一ピアノはできるよ」って自信となっていました。

――サッカーはなんで始めたんですか?

あんべ:弟がやっていたのがきっかけでした。僕は足がすごい遅くて、マラソン大会とかいつもビリだったんですよ。サッカーをはじめたら挽回できるかなって。実際、サッカーがすごい楽しくて。それで友達も増え、足も速くなり。サッカーはサッカーで、すごく救われましたね。

――中学へ入ってからは?

あんべ:サッカー部に入ってました。バンドを組んだのもが中学3年だったので、それまではサッカー少年ですね。

ほのか:超日焼けしてたよね。真っ黒だった。でも、体育会系でがっつりってイメージではなかったな。

――ポップスやロックなどに出会ったきっかけは?

あんべ:小学生の頃、合唱を全校でやったんですけど、その曲をピアノ教室で練習していたので、学校でも弾けてたから「嘘でしょ!」みたいに盛り上がって。アニメ『忍たま乱太郎』の曲ですね。

――「勇気100%」かな? 光GENJIが歌ってたんだよね。

あんべ:それです、それです。相当前の話ですね。小学校1年生とかの話なので。

―ーまだティーンエイジャーだけど、人生を変えた曲なんてあります?

あんべ:バンドをやろうと思ったきっかけになった曲は、SEKAI NO OWARIさんの「虹色の戦争」でした。ちょうどその頃、YouTubeを見初めてオススメ動画に流れてきたんです。タイトルがすごいなと思って聴いてみて。当時1番印象に残った曲ですね。歌詞の世界観にもにすごく惹かれました。

――アレンジも独特ですよね。リズムが打ち込みで軽くて。

あんべ:編成も僕らと同じでドラムとベースがいないんです。寄せようと思っていたわけじゃないですけど、今となっては繋がってるなって。

――ベース、ドラムがいない分、ある種いろんな表現に挑戦しやすいですもんね。洋楽とかは?

あんべ:最近、聴くようになりました。LINE MUSICのランキング上位というか。ダンスミュージックやジャズ、ボーカロイドとかいろいろ聴いています。

“ほのか”のルーツ

――ほのかさんは、中学生のころはどんな子だったんですか?

ほのか:小学生の頃からずっと音楽をやりたかったんです。でも、うちは父親がすごい厳しくて。生活に関することがしっかりできないならダメだって言われて。そろばんを習ってました。でも、中学生のときにバンドを組んで、私はボーカルで。あんべとポチはピアノやっていたから楽譜も読めるんです。音楽的な基礎知識がふたりにはあるのに、私にはないことがコンプレックスでした。ボーカルって弾き方を覚えるとかより、声を出すだけだから簡単にできるじゃないですか? なんか引け目を感じていましたね。バンドを組んだときは。

――歌に目覚めたのは?

ほのか:小学校の4,5年生とき、のど自慢大会に出たんです。中学校のときも友達とカラオケ大会に出ました。ノリですよね。賞品がいいわけでもなかったので。優勝しても「おめでとう!パチパチパチ~!」で、終わりなんですけど。ただ、楽しくって。中1のときに、一緒に出ようって誘ってくれた友達がボーカロイド曲を好きな子で、halyosyさんの「Blessing」っていう曲があるんですけど、それを歌いました。

――もともと音楽を好きになったきっかけは?

ほのか:母親が聴いていた音楽に影響されています。宇多田ヒカルさんの曲を母がよく聴いていて、大好きになって。自分にとってすごい懐かしいんですよ。「HEART STATION」の頃ですね。母親の車で聴いてた記憶が蘇ります。

――郷愁を誘うのですね。人生を変えた曲は?

ほのか:曲というよりも、それはバンド活動ですかね。最初は、断ってたんですよ。あんべから「バンドやろうぜ!」って言われた時に、軽く言われたので「いやなんだけど……」って鼻で笑ってたんですけど、ある日突然「明日練習するから来い!」って言われて。「やるって言ってないのに」ってやりとりをして、でも、歌ってみたら楽しくて。

――最初はどんな曲で練習を?

ほのか:「私がバンドやるなら、私が好きな曲をやりたいから」って言って(笑)。supercellさんの「君の知らない物語」を何も考えずに「これがいい!」って提案して。ギターをやり始めるきっかけにもなりました。

――ほのかさんは押しが強い子なんだね。

ほのか:そうですね(笑)。

“ポチ”のルーツ

――ポチさんは、小中学生の頃はどんな感じだったんですか?

ポチ:小3からバスケを始めて。小中高とバスケをやって。ピアノは5歳から始めて中3まで習ってました。最近、ジャスピアノを習い始めました。

――ピアノを習い始めたきっかけは?

ポチ:親ですね。「やってみない?」って言われて。でも、通い始めたら楽しくて。単純に「音が出る!」みたいな喜びで(笑)。

――曲的には、どんなアーティストにハマったんですか?

ポチ:両親の影響というか。うちの家では基本的にジャズやボサノヴァがかかっていて。親が歌謡曲に興味がない家でした。自然と、いろんな音楽が耳にどんどん入ってくるので、刷り込まれていった感じですね。

――人生を変えた曲は?

ポチ:それこそ椎名林檎さんですね。親は歌謡曲に興味なかったんですけど林檎さんは聴いていて。「こういうジャンルもあるんだ!」って驚きで。最初に聴かされたのが「本能」だったかな。

ほのか:強烈……! 「ギブス」より強烈だわ。

ポチ:ガラス割るのを見せられて(笑)。

3人組バンド、No title結成へ

――こうやって、もともと知り合いでありながらも、中3の文化祭に出るためにバンドを結成したと。

ほのか:そうです、最初はそれだけのために。

――学校的に文化祭で、バンドをやるのが流行っていたんですか?

ほのか:全然です。バンドは数年に1回くらい。厳しい学校だったので。

――じゃぁ、ステージでやるとか大変だったんじゃないですか?

あんべ:本当に。ドラムとベースがいなかったので、打ち込みを作ってそれを流すのに合わせるんですけど、全然返しのモニターとかもなかったし、スピーカーを置いて、グランドピアノにマイクをつけて。全然本番は聴こえてなかったっていう。

ポチ:俺は聴こえてたよ。

あんべ:ポチは聴こえてたのか。そんな感じの状況で。でも、観てる方は楽しんでくれてたみたいで。

――そのとき、ステージから見えたお客さんの風景って忘れられないんじゃないですか?

ほのか:そうですね。記憶に残っています。みんな手拍子してくれるし、けっこう乗ってくれました。supercellさんの「君の知らない物語」とSEKAI NO OWARIさんの「スターライトパレード」をやって。

No titleと名付けられたバンド名の意味

――そういえば、No titleのバンド名にはどんな意味があるんですか?

ほのか:文化祭のリハ―サルのときに大きい紙にチーム名を書いて貼るんですよ。必要に迫られて書かなきゃいけなくって。「バンド名無いや」っていう話になって。「どうしよう、今の今まで決まってない。いろいろ迷ったけど、決まってない……」ってなって。「じゃあ、開き直ってタイトルなし」でいいよってなって。そのまま今日に至ります。でも愛着も沸いて、しっくりきちゃったんですよ。

あんべ:無題から始まるってかっこいいじゃんって。

『LINEオーディション2017』でのグランプリ

――文化祭限定でバンドを結成して、その後継続していこうと思われたのはどうして?

あんべ:その後、受験期は活動休止をしていたんです。そしたら、その間にいろいろ外向けなオーディションに出てみたくなって。そのために曲を作っていたんです。高1の4月になって落ち着いたら、なんとなくもう1回バンドをやろうっていう感じになって。7月にライブをやることも決めて。

ほのか:ふにゃ~って集まって(笑)。

――そこでは、オリジナルをやっていこうみたいな?

あんべ:まだ、そこまでな感じではなくて。カバーが楽しかったんですよ。

――そして、3人のターニングポイントとなる「LINEオーディション2017」への応募。ユーザー参加型であり、独特なシステムのオーディションでしたが誰が見つけてきたのですか?

ほのか:あんべは別の高校なんですけど、私が高校に入ってから初めての文化祭の“のど自慢大会”で、米津玄師さんの「アイネクライネ」をカバーをしたんです。その動画がYouTubeにあげられて再生回数がすごい伸びちゃったんですよ。

――なるほど、それが背中を押したところもありそうですね。

ほのか:そうですね。バンッて跳ねてからライブのお誘いをいろいろ頂けるようになって。その当時、いろんなライブを紹介してくださる方がいて。「『LINEオーディション2017』っていうのがあるんだけど、受けてみない?」って。なので「グランプリを取るぞ!」っていう感じじゃなくて、何気なくサラッと参加したんですよ。

――優勝の発表が、LINEのトーク画面でって独特なオーディションでしたよね?

ほのか:そうなんですよ。

――あれは、どんな気分で見ていたんですか?

ほのか:結果発表がLINEのトーク画面に、スポッと出てきたじゃないですか? ファンファーレとか派手な音が鳴るわけでもなく、スポッと出てきて「ん?」ってなりました(笑)。

――喜んだ?

ほのか:実感を持てなくって、画面に書いてあるからそういうことなんだなって。なんか傍観してましたね。

――もともと、プロのアーティストになってみたいとは思ってなかった?

ほのか:なかったんです。

あんべ:プロになろうとは思ってなかったし、そこまで行けるとは思ってなかったので、逆に驚きでした。

LINE RECORDSよりデビュー

――その後、こうやってLINE RECORDSでアーティストとしてデビューもして。これまでファンだった人気アーティストと同じ土俵に立ってるわけですからね。

ほのか:実感は、後からから付いてきた感じですね。最近ですよ、本当に。

――デビュー曲「rain stops, good-bye」が2018年1月にリリースされました。カバー曲となりましたが、におさんの曲を選んだきっかけは?

ほのか:これは文化祭での「アイネクライネ」の時に遡るんですけど、“のど自慢大会”の他にダンスとかバンドで出演する企画があって、そこでポチとふたりで出たんです。あんべがいないからギターも1本になっちゃうし、ピアノとギターだけでできる曲を探そうってなって。「rain stops, good-bye」だったら、ピアノが目立つからいけそうだなって。当日も上手くいったので、オーディションもこれで応募しようって流れとなりました。まさか、それがデビュー曲になるとは思ってませんでした。

――改めて、プロフェッショナルなレコーディングを体験されて観ていかがでした?

あんべ:まだまだなんですけど、最近やっとちょっとずつ慣れてきました。

ほのか:バンドの編成的に、ベースとドラムがいないのでアレンジが入ってドラマチックに仕上がったことが感動でした。RECの前にプリプロがあって、何気なしに歌い始めたらベースとドラムがセッションで入ってきてくれて。その瞬間から「これすごい!」ってなってました。それだけのことがすごい新鮮で驚きで。

あんべ:僕がこの「rain stops, good-bye」を知ったきっかけは、ポチとほのかが出た文化祭のときでした。やはりデビュー曲というだけあって、自分のなかで思い入れの強い曲に育ってきているなと実感しています。

ほのか:すごく素敵な曲ですね。 ――プロデューサーのJINさんからもアドバイスをいただいたり?

ほのか:とても勉強になりました。1番最初に歌を全部フルで録ったんですよ。それを録ったあとにJINさんがそれを聴いて「背伸びしてる感じがする」って。歌っている人の思ってること、込めた思いは、マイク越しにリスナーへ自然と伝わるものだからって。歌の技術より、メンタルの持ち方をすごく教えてもらいました。

2曲目「超えて」のリリース

――6月25日には2曲目「超えて」も発売されて。自分たちの状況に通じるような、思いの強さや葛藤を歌われました。

ポチ:青森朝日放送の「目指せ甲子園2018」テーマソングだったのですが、決まってから作るまでのスケジュールが短くて。学校が終わってから夜寝るまでの間、フルフルでどんな曲にしようかを考えながら頑張って作りました。

ほのか:作詞が大変でした。いつも普段から思ったことを書き留めるようにしてるんですけど、それを欲張って詰め込みすぎるんですよ。想像しづらい深い言葉ばっかり並べがちで。もっと伝わる言葉とはどんなことかということと向き合った曲になりました。成長させてくれた曲ですね。対象も同年代をイメージしていて、思い入れある曲ですね。

あんべ:「超えて」のようなアップテンポな曲を初めてやったときに、こういう曲も自分たちはできるんだなって幅が広がりました。ミュージックビデオも自分たちでストーリー性あるものをやってみたり。学べた曲だと思います。

――アップテンポな曲となったときっかけは?

ほのか:これは、プロデューサーのJINさんがとても協力してくださいました。当初のヴァージョンからだいぶ変わりましたね。1番が静かな感じで、2番に入るとガーッて加速する感じなんです。あんまりオシャレにしすぎると甲子園って感じがしないから、バランスをJINさんが工夫してくださいましたね。

地元青森で撮影したミュージックビデオ

――「rain stops, good-bye」と「超えて」のミュージックビデオも素晴らしかったです。地元青森で撮影されたそうですね?

ほのか:撮影当日がとても寒かったです。「rain stops, good-bye」のときは三沢で撮って、「超えて」のときは三沢の天気が悪かったので、日本海側の十三湖っていう湖で撮りました。ロケーションはすばらしかったのですが、両方とも撮影日が相当寒かったです。「rain stops, good-bye」の時は1℃とか(笑)。みんな震えてましたから。でも、地元PRというか、青森で撮ることこだわりました。青春感のあるいい映像が撮れたと思っています。

あんべ:「超えて」のミュージックビデオは、天気に左右された結果、奇跡的な絵で撮れたのが本当ラッキーだったなって思います。景色がすごい綺麗でした。

ポチ:「rain stops, good-bye」の撮影のとき、当初は雨が降ってないときに撮る予定だったんですけど、雨まじりの雪が降り始めたんですよ。

ほのか:途中で雨が雪に変わってきたので「rain(雨)じゃない!」って(笑)。いい絵になりましたけどね。

――ははは(笑)。地元で撮れたことは嬉しいですよね。

ほのか:最初から決めてました。将来的にNo titleが有名になれたらファンの方が聖地巡礼してくれたら嬉しいなって夢を見ながら。

――僕も、BOØWYというバンドが好きで、関連ある場所など聖地巡礼しましたねぇ。

ほのか:あんべのお父さんもBOØWY好きだよね。

あんべ:お父さんもギターを練習してるので、聴けばわかるって感じですね(笑)。

ほのか:ラジオのお便りで、あんべのお父さんが「息子がオーディションでグランプリとったんです!」って送ったら布袋(寅泰)さんがそれを読んでくださったらしくて。「息子たちが埋もれないためにはどうしたらいいですか?」って質問したら「初心を忘れないで!」っておっしゃってくださって。嬉しいですよね。

あんべ:親孝行ができたなって(笑)。

――いつか布袋さんに会ったら、言えますね。

ほのか:あのときのあれです……、って(笑)。

メンバー間の仲違い、そして仲直り

――No titleの楽曲は、今しかできないこと、今感じてること、高校生らしい表現を軸として等身大となる楽曲を制作されていると思いました。でも、地元で学校生活をしながら、音楽活動して週末に東京にいたりとか。楽しいこともあると思うんですけど、大変だったりもするんじゃないですか?

あんべ:学業と音楽の両立も目標にはしてるので、どちらか片方をおろそかにしないようにはしてます。

――マジメだ。

ほのか:私は文化部なので、運動部よりはハードじゃないっていうか。文化部の先生もすごく協力的な方で。グランプリ取ったあとも普通にクラッカーでお祝いしてくれるいい先生で。ありがたいですね。

ポチ:音楽と部活と勉強ってなると、やっぱり厳しいところがあって。デビュー当初はバスケをやってたんですけど、さすがに辞めざるえないなって辞めたんです。でも、最近はちょっと余裕が出てきたのでバスケ部に戻りました。部活のみんなも快諾してくれて。

――青春ど真ん中ですね。楽曲作りとか、バンドの方向性とかメンバー間でぶつかったりとかはないんですか?

ほのか:ちょっと前に初めて大きい仲違いをしました。今までは、機嫌を損ねたりぐらいはよくあったんですけど、つい最近すごい空気が悪くなっちゃって。やりたいことが違ってくるっていうか。小さなすれ違いがどんどん大きくなって。でも、ちょうど解決したばかりなんです。

――おお、解決できたのですね。

ほのか:そうですね。あんべを仲介役として。私とポチで話しあって。

――あ、ほのかさんとポチさんが仲違いだったんだ。

あんべ:時間が解決するかなって思っていたら、そうもいかず。どんどんひどくなっていって。

ほのか:あんべは1人、学校が違うのであんまり会いすぎないのでちょうどよい距離感でいられて。しかも、私とポチは性格が似てるんですよ。どっちかが不機嫌になると、ちょっとプイってなるじゃないですか? そしたら「機嫌悪い……、もう私と話したくないんだな」って気分になって。ポチもそういう感じで。それからどんどん距離が開いていって。それをあんべに話して、解決できたという経緯です。

ポチ:はい。

――大変でしたか?

あんべ:なんとなく察しはついていたので。だからなんとかしたいなとは思ってたんですけど。ほのかから連絡が来て、まずいなって思って、頑張りました(笑)。

ほのか:一安心でした。

――こういうとき3人組だといいですよね。

ほのか:バランスは取れていると思います。

穏やかな、あんべの性格

――性格的にはどんな。あんべさんは、どんな人ですか?

ほのか:すごく穏やかです。兄弟がいて、しかも長男なので頼れるところは頼れるし、怒らないし、人を傷つけることしない人なのでリーダーに向いてますね。

ポチ:穏やかですね。

ほのか:ちょっと穏やかすぎない? って思うことがあるくらい(笑)。

あんべ:そんな穏やか……?

ほのか:穏やかゆえに、悪気がなくひどいことをポンッていったりすることもある。「悪気はないんだろうな、どうやって伝えよう」っていう気分になります(笑)。

――音楽以外で3人で遊びに行ったりとかは?

ほのか:ないんですよ。最初は遊びの感覚でバンドをやっていたので、バンドとして集まることが友達と遊ぶような感覚で始まっちゃったので、なかなか約束してどこかに行こうって感じでもないし。ポチはけっこうインドア派なので。私がどこか行こうとか、何かしようって誘いに1回ものってくれたことがなくって。「帰ってゲームしたい!」とか言うんですよ。

はっきりした、ほのかの性格

――ははは(笑)。ほのかさんは、どんな性格ですか。

ポチ:きまぐれです。

あんべ:はっきりしているので、わかりやすいですね。言うことやすることが明確なので、何がしたいかわかりやすい。

――裏表がない感じ?

あんべ:そうですね、おそらく。

ポチ:隠してるようで態度に出ます。

ほのか:ディスられてるよ (笑)。

ポチ:でも、このバンドのポイントはほのかの声だと思って3人ともやっているので。

あんべ:やっぱりバンドの顔ですね。声もいいし、歌もいいので。

細やかな、ポチの性格

――いつの時代でも3人組って面白いアーティストって出てきますよね。ポチさんはどんな人ですか?

ほのか:音楽的に秀でてると思います。ただ、あんべより言いたいことを言わなかったりとか、無口なところもあるので「冷たいな」って思ったりもするんですけど(笑)。でも、絶対音感があるし、細かいことにちゃんと気づく人なので。No titleの特徴である鍵盤を担っているメンバーですね。存在感大きいです。

あんべ:ポチ君も穏やかだと思います。

ほのか:穏やかだけど、たまに爆発するんですよ(笑)。

最新曲「ねがいごと」について

――11月には新曲「ねがいごと」がリリースされます。切なさがありながら疾走感もありピュア度がすごい高くて。

あんべ:ずっとデモを作り続けてきて、その中から曲を選んでいくっていう過程でした。レコーディングを頑張りましたね。レコーディングでアレンジを変えたところもたくさんあって。プロデューサーのJINさんと一緒に話をしていると、自分たちの見えなかったこととか知らなかったことも吸収できるし、レコーディングは自分が成長できる場だなと思ってます。

ほのか:今回、とても作詞に苦労しました。言いたいことがたくさんあるんですけど詰め込みすぎて結局何を言いたいかが伝わりづらくなってしまって。尊敬する宇多田ヒカルさんとかわかりやすい歌詞なんですよ。影響はありますね。今回の歌詞は「超えて」を書いたときより、さらに成長できたと思います。すごく勉強になりました。

ポチ:1番苦労したのはレコーディングでした。あんべのデモを使ったんですけど、アレンジの入ったピアノが本当に難しくて。ソロのところも自分でアレンジしてみたり、レコーディング当日も何回も録り直して大変でした。

ほのか:歌詞に“君”っていうワードが出てくるんですけど、友達へ贈る歌ですね。別れを想像させる歌なんですけど、卒業シーズンを控えているので。人って別れを経験するじゃないですか? 高校を卒業したら距離も離れたりするし。でも、目的があるのであれば、晴れ晴れとしていたいというか、明るさを失いたくなかったんです。

――新曲「ねがいごと」の現状の段階を、客観的に聴いてみていかがですか?

ポチ:(※注:2018年10月28日取材時)まだ完パケてないのですが、途中経過で聴いた段階では本当にいい曲ができたんじゃないかなって思ってます。

2019年へ向けての目標

――新曲のリリースもあれば、来年には映画主題歌でGReeeeNとのコラボも発表されました。2019年のNo titleの目標は?

ほのか:アルバムを出すことはひとつの目標なんですよ。オーディションでグランプリを取った直後もそうだったんですけど、地元だと「CD出さないの?」って言われることもあるので。ストリーミングの時代となって、デジタルでの楽曲リリースは積極的に行う一方で、形に残る作品としてのCDも両方大事ですね。うちの親とか、おじいちゃんとかおばあちゃんにとってわかりやすいですから。ひとつの目標です。

――どんなライブ会場でやってみたいですか?

あんべ:まずは地元青森でやりたいですね。青森県の1番大きいライブハウスが青森クォーターってところで。そこをいっぱいにするワンマン・ライブを実現したいです。やっぱりライブこそ、アーティストが1番表現できる場だと思っているので。

ほのか:漠然としてるんですけど、目の前のことをちゃんと丁寧にやっていきたいなと思っています。

――ポチさんは、目標としてることってありますか?

ポチ:やっぱり椎名林檎さんですね。真似するわけじゃないですけど、参考にはしたいなって思います。

GReeeeN × No titleとしてフィーチャリング抜擢

――では最後に、GReeeeNの楽曲「愛唄」を映画化した作品『愛唄 ―約束のナクヒト―』(2019年1月25日公開)の主題歌へ、GReeeeN × No titleとしてフィーチャリングに抜擢された件について聞かせてください。

ほのか:別の用事で東京に来たときに「明日デモを録りに来てくれない?」って言われて。初めて聴いた曲を2、3回聴きながら歌ったんですよ。それがどういうことだったかというと、GReeeeNさんの映画にあたって、新曲で女性シンガーが必要だったそうなんですけど、イメージ的に透明感を出していきたいということで選んでいただきました。その2、3日後にすぐに東京でレコーディングでした。映画化なんだって、後からいろいろ知って、とても驚きました。

――それはびっくりですよね。GReeeeNは世代的にはどんな存在でした?

ほのか:誰もが知っているアーティストで、それこそ青春感があって。小学校のときの給食の時間にもかかってましたから。

あんべ:僕、小中学生の頃、放送委員だったんです。GReeeeNさん推しの先輩がいてよく曲をかけてましたね。

ポチ:当時からすごい流行ってましたから。

ほのか:あ、小学校のときに「遥か」を合唱しましたね。

あんべ:そうだ、「遥か」の伴奏やったんだった。

ほのか:あんべもピアノをやってましたから。思い出深いというか。曲がすごい泣ける感じなんですよ。それくらい、身近な存在ですね。うん、日常生活や思い出に刷り込まれている存在でした。

あんべ:ピアノで弾きましたね。5年前くらいかな。よく考えたら不思議な縁ですよね。

ほのか:今回のフィーチャリングは、めぐり合わせを強く感じています。ありがたいですね。是非、No titleに注目をしてくださると嬉しいです。

2018年10月28日@LINE本社にて

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